昨日は、厚岸から絶景路線・花咲線を追いかけて、鉄道風景を撮りながら根室まで移動した1日でした。
そして今日は、いよいよ本土最東端の納沙布岬に向かいます。
納沙布岬は以前も一度行ったことがあるのですが、見事に濃霧で何も見えなかった思い出しかありません。
真っ白な景色しか見たことない納沙布岬の風景を、今回は見ることができるのでしょうか。
午後には北海道の大自然を感じるスポットにも行きました。
根室観光を大満喫した1日をお届けします。
明治公園
昨晩の滞在場所は「明治公園」の駐車場。
根室市街にある公園で、市街の近くに道の駅が無い根室で1番に名前が上がる車中泊スポットでもあります。
旅行者に人気があるのは、設備の完璧さが理由です。
平坦な駐車場とトイレに加え、炊事場にゴミステーションまであります。
車で寝る人にとってはもうキャンプ場と同義です。
何よりも、どこに行ってもゴミ箱がほとんど無い北海道において、無料のゴミステーションは本当にありがたい…!
ここまで貯めてきた分を一気に捨てさせてもらいました。
駐車場の周辺しか歩いていませんが、公園としても大きな場所なようです。
ただ、朝から駐車場に椅子を広げまくり、我が物顔で食器を干したり車を磨いたりして滞在しているのはさすがにどうかと思いました。
「ここはキャンプ場になってしまったんだな」なんて皮肉を言っている住民の方もいましたが、あくまで公園の駐車場なので、勘違いした使い方はよくないですよね。
普通に駐車をして、混んできたら撤収する配慮は必要でしょう。
マナーが悪すぎるとこうした素晴らしいスポットも車中泊禁止になってしまうので、気をつけたいものです。
この日は駐車場が混む様子もなかったので、ドアを開けて車内でのんびりと朝を過ごしました。
(これも良しとしない方もいるかもしれませんが…!)
道東らしい冷たい風が吹き抜けて最高の空間です。
車内で過ごしている時はこんな感じですよという、いつか使えそうな写真も撮りました(笑)
そして、ふと外を見るとなんと公園で普通にエゾシカが散歩していました。
しかも立派なツノを持っています。
かっこいい…!
エゾシカはとにかく大きいので、近くで見ると結構怖いです。
奈良や宮島のシカたちとはもはや比較にならないほどのサイズ。
この時は割と離れた距離からのんびりと観察することができて、その姿をしっかり楽しめました。
そして、何より今日は朝起きた時から見事な青空が広がっています…!
これはさすがに納沙布岬も綺麗に晴れているだろうと、嬉々として出発です。
納沙布岬
根室半島をドライブ
いよいよ本土最東端に向かいます。
この旅では初の「端っこ」です。
根室市街から納沙布岬までは意外と近く、約20kmほどの道のり。
前回納沙布岬に行った時は根室駅からバスに乗ったのですが、濃霧で何も見えない中を路線バスのスピードで進んだので、長い道のりに感じたのかもしれません。
この快晴の中を自分の運転で行けば、あっという間の道のりでした。
しかも意外とずっと街中を進みます。
これも新発見。
風力発電と太陽光発電が大量に設置されていました。
通ったことあるはずなのに、景色を見るのは初めてです(笑)
そして、展望タワーが見えてきたら納沙布岬に到着です。
北海道を旅していると、冗談抜きで20kmの道のりは走ったうちに入らない近場に感じますね。
納沙布岬を観光
日本本土最東端の地・納沙布岬に着きました。
まずなによりも晴れている…!
これだけで感激です。
納沙布岬で1番目を引くのは「四島のかけ橋」。
北方領土返還を願って建てられたものです。
下には返還の祈り火も燃えています。
このように、ここ納沙布岬は、旅人がロマンを求めて目指す場所であるとともに、北方領土問題を扱う観光地でもあります。
その理由は、納沙布岬の目と鼻の先に北方領土があるから。
雲の下、水平線上に見えているのが「歯舞群島」です。
本当に近くにあり、その距離はなんと3.7km。
ここには北方領土問題を扱う資料館もたくさんあるのですが、これは後で回ることにします。
何より、北方領土を肉眼で見られたことに感動しました。
以前訪れた際、現地のお店の方が「冬の晴れた日なら北方領土も見えるんだけどねえ夏はほとんど霧で見えないよ」と教えてくれたので、北方領土を見ることはほとんど期待していませんでした。
しかし、なんと幸運にも最高の見晴らしの日を引き当てたようです。
ひとまず、納沙布岬のエリアをぐるっと歩きます。
ウミネコが大量にいたので思わず追いかけました。
そして、岬の先端にある納沙布岬灯台へ。
日本最東端の灯台であるとともに、北海道で最初の灯台だそうです。
ここからも気持ちがいい景色を楽しめます。
肉眼でわかるものではありませんが、ここが太平洋とオホーツク海の境目でもあります。
以前来た時は水平線や歯舞群島どころか、海があることすら目ではわからないほど真っ白で何も見えない景色でした。
ついに青空の納沙布岬を見ることができて、本当に感激です。
納沙布岬の記念撮影スポットはこれ。
宗谷岬とかもそうですが、旅人たちが順番に写真を撮り合う雰囲気がいいですね。
もちろん資料館の中もまわります。
2回目ですが。
ロシア軍の占拠から命からがら逃れてきた経験がある人たちも、根室にはたくさんいらっしゃいます。
幼少期を過ごし、先祖の墓もある「ふるさとの地」を返して欲しいと声をあげてきた想いや歴史を、より近く実感できる場所です。
北方領土問題を具体的なエピソードとして学ぶことができるのは、この場所に来ないとわからない体験なのかなと思います。
この資料館の中には双眼鏡も設置してあります。
覗いてみると、かなりくっきりと歯舞群島の様子が見えました。
いや、本当に晴れてくれてよかった…!
もう一つの資料館も入ります。
そして、この資料館では納沙布岬に来て1番大事なミッションを達成できます。
日本本土四極到達証明書です。
東の納沙布岬、北の宗谷岬、西の神崎鼻、南の佐多岬でそれぞれ到達証明書を集めると、なんと裏面を合わせてパズルのように一つの証明書が出来上がるというロマン溢れる記念品。
日本一周をすると言うのなら、これを集めない手はありません。
すでに東の納沙布岬と西の神崎鼻は3年前にゲットしているのですが、せっかくなのでこの旅でもう一度もらい直そうと思います。
北の宗谷岬に行ったときはこの証明書の存在を知らずもらい損ねたので、今回こそは確実に集められるように、忘れずしっかりと受け取りました。
根室半島を戻る
昼ごはんは根室市街で食べたかったので、再び根室半島をドライブして戻ります。
行きは太平洋側を走ってきたので、帰りはオホーツク海側を走ってみることに。
これで根室半島1周ですね。
オホーツク海側周りの方が、街が少なく海も近いので景色が良いなと思いました。
ナビで案内される最短経路は太平洋側周りなのですが、実際の距離はほとんど同じです。
行きと帰りで違う景色を楽しめるのは最高ですね。
根室名物「エスカロップ」
昼ごはんを目指して根室市街に戻ってきました。
すでに14時前で腹ぺこにも関わらず、定休日やら駐車場がわからないやらでかなり時間がかかってようやく店に入れました。
やって来たお店は「ニューモンブラン」。
昔ながらの喫茶店です。
目的のグルメは、根室名物の「エスカロップ」。
名前を聞くとなにそれ⁉︎となる料理ですが、味は見た目から想像できる素朴なものです。
ポークカツはもちろん、下のバターライスがめっちゃ美味しい…!
「漁師が手早く食べられるボリュームのある料理」として編み出された、水産都市の根室らしいグルメです。
元祖のお店は無くなってしまったそうですが、このニューモンブランはそこから暖簾分けしたお店だそう。
以前根室に来た時は夜が遅すぎて食べ逃してしまったので、今回ようやく味わうことができました。
ちなみに、お店は根室駅前の通りにあります。
根室まで鉄道で来た時の思い出はとにかく印象深いので、懐かしい景色に喜んでいました。
春国岱
根室市街を出発し、次のスポットに向かいます。
目的地は、根室半島の付け根にある「春国岱(しゅんくにたい)」です。
その前にトイレを借りに近くのネイチャーセンターへ。
コンビニすら無いエリアなので、ここに綺麗な施設があってくれて助かりました。
そして、海側に降りて狭い橋を渡ったところにある駐車場へ。
ここは、風蓮湖と根室湾の間にある原生公園。
木道が綺麗に整備されていて自由に散策をできるのですが、完全に野生動物が主役のエリアです。
せっかくの快晴日なので、北海道らしい絶景を求めてやって来ました。
まずは水の上を進みます。
これは海水かな?
あまりにも気持ち良すぎる空気に感動です。
当たり前のように動物の足跡が。
少し進むと湿地帯に入ります。
普通にエゾシカさんたちがたくさんいました。
この木道を歩く人には慣れているのか、警戒心が全くないですね。
奈良の鹿並みに野生感を感じない距離ですが、背景の景色の広大さが北海道であることを思い出させてくれます。
手持ちの中望遠レンズでも届く距離で感動です。
そしてこの湿地帯、予想以上に絶景が続きます。
「春国岱って聞いたことあるし、ちょっと散歩しとくか」みたいなノリで来たのですが、予想外にかなりの撮影スポットでした。
楽しすぎる…!
開けた湿地エリアを越えると、林の中に向かう道に入ります。
いろいろな花が咲いていて野鳥もたくさんいる、さらに自然溢れる景色が見られるそうです。
しかし、この先はどう考えてもヒグマさんに出会う気配があふれ出ています。
日も傾いてきてさすがに不安の方が勝るので、今回は引き返すことにしました。
運が良ければ湿地エリアで遠くの方にクマの姿を見られる場合もあるそうです。
絶対に安全なところから1回くらい野生のヒグマも見てみたい…!
帰り道では日が斜めから差す時間になり、もともと絵になるパノラマ風景がさらに感動的な景色に。
あまりに綺麗な光が入ってくるので、夕日と鹿を絡めた写真を撮れたら最高かもなどと頭をよぎりました。
しかし、さすがにこの野生動物の世界で真っ暗の中ひとりで歩くのは無謀すぎるので、夕焼けは諦めて撤収します。
さらに、今日はこんな時間まで外にいる予定ではなかったので服装を間違えていました。
普通に半袖だったため、夕方の冷え込みと海風で凍え死にそうになりながら車に戻る羽目に。
17時を過ぎると20℃を下回ってくるのが道東です。
そういえば今日丸1日、この真夏に快晴の下で観光していたのに一滴も汗をかいていない。
ちゃんとした服装と望遠レンズを携えて、ここ春国岱にはまた絶対写真を撮りに来ようと決意しました。
北へ夜のドライブ
春国岱を出発すると、案の定空がどんどん綺麗に焼けていきます。
お風呂に入るため、「別海町ふるさと交流館」に来ました。
安い上に施設が需実していて良い場所でした。
さらに北上して、中標津のスーパーで夕食を調達。
中標津は空港がある街ですね。
そしてここから目的の道の駅まで約70kmの夜ドライブです。
野生動物が飛び出してくる可能性が高すぎるエリアなので、緊張感があって疲れます。
キツネとリスを見たのと、轢かれているかわいそうな子たちを何匹も見ました。
道道を走っている時は本当に真っ暗の大自然を中をポツンと走っているという感じだったので、国道に出た時の安心感は半端ありませんでした。
前に道東旅をした時にも強烈に感じましたが、ひとり旅をしていて怖さを感じるのは「自分以外に人の営みの気配を感じないとき」です。
たしかに大都会が怖いという田舎の人たちの気持ちもわからなくはないですが、僕はよっぽどこっちの方が不安になりますね。
そして、夜のドライブを終えて無事に今晩の滞在場所に着きました。
「道の駅しゃり」です。
到着して初めて気づいたのですが、この施設は以前にも利用したことがあります。
知床観光の拠点、斜里町の真ん中にあるかなり小さな道の駅です。
車中泊利用の方は臨時駐車場へという張り紙があったので、道向かいの駐車場に移動しました。
今日の夕食です。
さらに、納沙布岬のお土産屋でこんなふりかけも手に入れました。
地元・徳島から持って来ていた大野海苔が数日前に尽きたので、ご飯のお供を探していたのです。
クセがなくめちゃくちゃ美味しいふりかけでした。
大野海苔は大学一人暮らし中も無くならないように実家から送ってもらっていたので、このタイミングで人生初めての大野海苔が無い生活をしています(笑)
明日も天気が良さそうなため、知床から道東一帯の風景を存分に巡ろうと考えています。
またあした〜
(2024年8月20日)
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